インド人活躍の裏の意外な一面

インド人エンジニアに学べ!

意外な一面も

インド人エンジニアの素晴らしさ

「IT大国インド」というイメージでインド人エンジニアを見るとその能力の素晴らしさばかりが目についてしまいがちですが、実際にはそのイメージとはかけ離れた意外な実態があるのも事実です。

意外な一面も
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IT大国インドのイメージ

意外な一面も

大前提として、インドが国をあげて理数教育に力を注いでおりIT教育にも大変熱心で、そこを目指す若者も多いという事実があることは確かです。しかしその事実だけを切り取って見てしまうと、インドは優秀な人材ばかりが揃う宝庫のようなイメージを持つかもしれません。インドと言えば数学やIT、といった先入観だけで考えていると現実とのギャップに驚いてしまう可能性もあります。

インド社会におけるIT

日本では多くのサービスにおいて電子化、機械化が進んでいるため、かつて人の手で行っていた業務がどんどん簡素化されていく傾向にありますが、IT大国のはずのインドでは、意外にもまだまだ人の手で行われている仕事が多く、コンピューターシステム化が進んでいないというのが現状です。設備投資にお金をかけている業界では高度なシステムを運用しているものもありますが、それも銀行、航空会社、通信会社など一部の分野がメインです。公的機関でのシステム運用面で日本よりも優れているのが納税関係のシステムで、インドにおける全ての税金はインターネット経由で支払いを済ませることができます。

IT化が進まない理由

インドの企業でIT化が進まない理由としては、事業に対してIT投資をするだけの価値があるか、またそれが他社との差につながるかについて直接的なメリットが実感できていないことなどがあります。また、低水準の仕事をする労働者が末端にいると、システム化がいくら進んでもそれが活かされないという危惧もあります。

エンジニアもいろいろ

考えてみれば当然のことかもしれませんが、インド人がITに強いからといって全ての人が同じように高いレベルに達するわけではありません。それはインドだけでなく世界のどの国でも同じことで、レベルには差が必ず生じてくるものです。多くの人がイメージしている世界の大企業で活躍するインド人エンジニアは、もちろん国内でも一流の人達です。この人達は確かに高い能力を持っており、破格の給与を得ているという事実があります。インド国内の大手企業で活躍しているような人達は、一流のエンジニアと呼ばれる人達からはランクがひとつ下がることになります。ただ、エンジニアとしての能力は高くても、プロジェクトの工程全般を丁寧にマネジメントしていくだけのスキルは高くないというのが今のインドでもあります。また、単純作業を専門とした単価の安いエンジニアも多いですが、彼らは指示されたことのみをこなすという仕事のスタイルなので、アマチュア感が否めない部分でもあります。

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ハングリー精神を学ぶ

良く言えば奥ゆかしく、悪く言えば積極性に欠けるという気質は、日本人の多くに見られる傾向です。日本人の中にも積極的でやり手の人もいることは確かですが、世界で横並びに競争するとなると強いイメージがあまりないというのも事実ではないでしょうか。その点で、インド人が持つハングリー精神は日本人エンジニアにとって学ぶところが多いと言えるでしょう。今後世界で活躍したいのであれば、ハングリー精神が必須と言っても過言ではありません。

高騰するインド工科大卒の学生

国全体で幼い頃からの理数教育に力を入れているインドでは、ITに強い人材がどんどん育成されています。インド工科大学は世界でもトップクラスの大学です。高いIT技術を持つ人材が数多く在籍してきたという実績もあり、世界の大手IT企業がこの大学から人材を確保すべく激しいオファー競争を繰り広げています。学生に提示される報酬額はどんどん高値になっていき、最高で年収4000万円以上にもなる企業が現われているほどです。

インドのシリコンバレー「ベンガルール」

インドのシリコンバレーとして有名なベンガルールは、イギリスの植民地時代に名づけられた英語名のバンガロールから現地語のベンガルールに戻される型で改名されました。ベンガルールに世界のIT企業が集まってくる理由はいくつかありますが、インド人エンジニアの需要が高まったきっかけは、かつて世界中に不安をもたらしたY2K問題です。また、ITの研究開発分野の場合、税制上の優遇措置が後押しとなって世界中から企業が集まりやすい基盤が整っています。