エンジニアの活躍によるインドの急速な経済発展

インド人エンジニアに学べ!

際立つ経済発展

注目のIT立国インド

世界の成長途上国として、ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国から構成されている「BRICs」は、どれも今後経済発展が大きく期待されている国です。中でもインドの成長の中心となっている産業は、ブラジルやロシアの資源や中国の労働力とは様子が異なっています。

際立つ経済発展
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IT立国のインド

際立つ経済発展

インド人は数学に強い国民性ということで世界でも有名です。そのような背景もあってか、インドのIT産業の成長ぶりは世界でも突出しており、優秀なエンジニアが数多く輩出されていてソフトの受託開発も盛んに行われています。ブラジルやロシアでは各資源の価格下落が経済に大きな打撃をもたらし、中国では急速な経済発展によって人件費も高くなったことで、どの国も一時期の勢いはなくなってしまっているのが現状です。そのような中で、インドのGDPの半分は民間消費によるもので、輸出に頼る他国よりも安定した経済成長を遂げることができていると言えるでしょう。急速な発展が見込めなくても、ゆっくりと確実に成長し続けるインドの経済は今後も安定し続けると予測されています。

インドが世界に強い理由

グローバル化が世界のひとつの目標となっている今の時代において、共通言語である英語の必要性は一層の高まりを見せています。それと同様に、IT技術もビジネスにおいて必要不可欠なものとなっています。インドでは、英語が準公用語として使われているため言語面で有利なだけでなく、IT産業が発展していることによって英語力とIT技術の2本柱でグローバルビジネスの土台を強固なものとしています。これは頭脳明晰なインド人ならではの経済発展の仕方と言えるかもしれません。

カースト制度の影響

インドといえば有名なのが「カースト制度」です。カースト制度は紀元前にヒンズー教で定められた身分制度で、今では憲法によって身分差別を禁止しているとはいえインド国民の間で強くその影響が残っているのが実際のところです。カーストには、ブラフミン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラと大きく分けて4つの階層があり、そこからさらにジャーディという職業カーストが何千種類もあります。各階層は子孫にまで古くから伝わる同じ職業に就くことを求められるので、自分のカーストが低いとどれだけ能力が高くてもずっと貧困から抜け出すことができない仕組みになっています。経済発展に伴って国の中心部ではカーストに対する意識に変化が見られるようになったものの、違うカーストの人との交友を避けてしまうという傾向はまだまだあるのも現実です。
その中でIT職というのはかつてなかった職業ということもあって、カーストに関係なくできる仕事として貧困層にもチャンスが生まれました。そのため、低カーストの若者が人生の大逆転に向けて努力するようになった結果、インド全体の経済成長を押し上げていったのです。

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ハングリー精神を学ぶ

良く言えば奥ゆかしく、悪く言えば積極性に欠けるという気質は、日本人の多くに見られる傾向です。日本人の中にも積極的でやり手の人もいることは確かですが、世界で横並びに競争するとなると強いイメージがあまりないというのも事実ではないでしょうか。その点で、インド人が持つハングリー精神は日本人エンジニアにとって学ぶところが多いと言えるでしょう。今後世界で活躍したいのであれば、ハングリー精神が必須と言っても過言ではありません。

高騰するインド工科大卒の学生

国全体で幼い頃からの理数教育に力を入れているインドでは、ITに強い人材がどんどん育成されています。インド工科大学は世界でもトップクラスの大学です。高いIT技術を持つ人材が数多く在籍してきたという実績もあり、世界の大手IT企業がこの大学から人材を確保すべく激しいオファー競争を繰り広げています。学生に提示される報酬額はどんどん高値になっていき、最高で年収4000万円以上にもなる企業が現われているほどです。

インドのシリコンバレー「ベンガルール」

インドのシリコンバレーとして有名なベンガルールは、イギリスの植民地時代に名づけられた英語名のバンガロールから現地語のベンガルールに戻される型で改名されました。ベンガルールに世界のIT企業が集まってくる理由はいくつかありますが、インド人エンジニアの需要が高まったきっかけは、かつて世界中に不安をもたらしたY2K問題です。また、ITの研究開発分野の場合、税制上の優遇措置が後押しとなって世界中から企業が集まりやすい基盤が整っています。