凄いエンジニアが集まる「ベンガルール」

インド人エンジニアに学べ!

インドのシリコンバレー「ベンガルール」

注目のIT立国インド

インドのシリコンバレーとしても有名な「バンガロール」は、正式な名称を「ベンガルール」へと変更しました。1956年11月1日、ベンガルールがあるカルナータ州が誕生しましたが、この記念日と同じ11月1に改名が行われました。

インドのシリコンバレー「ベンガルール」
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ベンガルールに改名した理由

インドのシリコンバレー「ベンガルール」

バンガロールという名称はインドがイギリスの植民地時代に付けられた英語名で、現地語であるカンナダ語ではもともとベンガルールでした。そのため、時代の流れに伴って本来あるべき名称に戻そうという動きが出てきて、ベンガルールに改名することになりました。インドには、その他にも英語の地名から現地語の地名へと改名してきた場所がいくつもあります。ムンバイやチェンナイ、コルカタなどもベンガルールと同じくかつて英語名だったものから現地語に戻された地名です。

Y2K問題

日本では2000年問題という呼び名で記憶している人も多いY2K問題は、当時世界中を大変な不安と混乱に陥らせました。この問題は、西暦2000年1月1日になった瞬間に、コンピューターに何らかの問題が発生するかもしれないという予測に基づいたものでした。この問題の背景には、コンピューターシステムが開発された1900年代ならではの問題がありました。多くのコンピューターシステムは、西暦4桁の内の下2桁で管理されているプログラムを多く採用しており、1999年から2000年になって下2桁が00になってしまうことによってプログラムが誤作動し、交通インフラから生活インフラまで甚大な影響が出るかもしれないということで世界規模の社会問題になりました。結果的には心配されていたような問題は起こりませんでしたが、2000年を迎えるにあたり、その問題に対処すべく世界中でITエンジニアの需要が一気に増えたため、先進国のITエンジニアだけでは不足するようになってしまいました。
そこで、即戦力となる人材の確保のため、英語力もありIT技術もあるインド人にスポットが当たるようになり、エンジニアの仕事を受け取る地としてベンガルールが選ばれました。その後、IT先進地としてベンガルールはアメリカやヨーロッパなど世界から一目置かれるようになり、今のような世界有数のIT都市となりました

インドのタックスホリデー

インドでは、研究開発を含め特定の分野への投資に対する税制の優遇措置があります。そのため、認可を受ければ10年間法人税が非課税になります。しかも、研究費の2倍の金額を控除申告することが可能なので、世界中からIT企業が集まってきて研究開発を行っています。ベンガルールがインドのシリコンバレーとも呼ばれるまでになったのは、このような国策が功を奏したからです。海外の企業にとっても、税制上の優遇を受けながら優秀な人材を現地で数多く確保することができるのは、IT立国インドならではのメリットかもしれません。

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ハングリー精神を学ぶ

良く言えば奥ゆかしく、悪く言えば積極性に欠けるという気質は、日本人の多くに見られる傾向です。日本人の中にも積極的でやり手の人もいることは確かですが、世界で横並びに競争するとなると強いイメージがあまりないというのも事実ではないでしょうか。その点で、インド人が持つハングリー精神は日本人エンジニアにとって学ぶところが多いと言えるでしょう。今後世界で活躍したいのであれば、ハングリー精神が必須と言っても過言ではありません。

高騰するインド工科大卒の学生

国全体で幼い頃からの理数教育に力を入れているインドでは、ITに強い人材がどんどん育成されています。インド工科大学は世界でもトップクラスの大学です。高いIT技術を持つ人材が数多く在籍してきたという実績もあり、世界の大手IT企業がこの大学から人材を確保すべく激しいオファー競争を繰り広げています。学生に提示される報酬額はどんどん高値になっていき、最高で年収4000万円以上にもなる企業が現われているほどです。

インドのシリコンバレー「ベンガルール」

インドのシリコンバレーとして有名なベンガルールは、イギリスの植民地時代に名づけられた英語名のバンガロールから現地語のベンガルールに戻される型で改名されました。ベンガルールに世界のIT企業が集まってくる理由はいくつかありますが、インド人エンジニアの需要が高まったきっかけは、かつて世界中に不安をもたらしたY2K問題です。また、ITの研究開発分野の場合、税制上の優遇措置が後押しとなって世界中から企業が集まりやすい基盤が整っています。